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猫パロ番外編です。
としぞーと土方先生のある休日の出来事。
連載するかは決めていませんが、小ネタを使ってのんびりした短編を少しずつ書いていけたらと思っています。
~日常の1コマ~
としぞーと歳三の休日
週末、病院から持ち帰ってきた仕事をようやく片付る。長時間パソコンと書類に向かい続けて凝り固まった肩がだるい。
キッチンで夕食を作っているだろう千鶴のところに向かおうと書斎から出てみれば、待ち構えていたかのような黒猫につかまった。
「……なんだ」
「……にゃ」
相変わらずの無愛想な顔と機嫌の悪そうな声である。
いつもと違うところと言えば、俺のジーンズの裾をくわえて引っ張ってくることだろうか。
千鶴に拾われて来た頃に比べるとだいぶ大きくなったが、完全に大人という月齢ではない。小さい口で固いデニム生地をくわえるのは少し苦しそうだ。
「お前、何やってんだ?」
「………」
何か訴えるような目をしていたから聞いてやったのに、さっさと離れて無言でリビングに向かいはじめる。ついて来いという事か。
こいつはちづと違って悪戯をする方ではない。むしろ、千鶴絡みで俺に飛び掛かること以外、困らせるようなことをしているのは見たことがない。普段は俺にできるだけ近寄ってこないのに、何が目的なのだろうか。
黒猫が通ったあとの薄く開いたドアを開けると、目に入ったのは、リビングのカーペットで眠る千鶴とちづだった。
人の体温が暖かいのか、ちづが千鶴の胸にぴったりと寄り添っている。そこに黒猫が駆け寄って、多少強引に間に割り込んだ。
「……みっ」
おそらく、見せ付けることが目的ではないだろう。こいつの性格を考えると、わざわざ俺に知らせて邪魔させるようなことはしない。しかも、何かを訴えるようにじっとこちらに視線を送り続けている。
「……分かった」
「にゃっ」
これは、千鶴に何かかけてやれと言っているのだろうか。適当に返事をしてみれば、満足そうに鳴き、しっぽを一度ぱたりと跳ねさせた。
目的を果たしたのか、ようやく丸くなって一緒に眠り始める。千鶴とちづに挟まれて、とても気持ち良さそうな表情だ。
「やっぱ気に入らねえ」
珍しく土方に近づいてきたかと思えばこれだ。千鶴と一緒に同居を始めた今でも、土方への無愛想さは相変わらずである。
「とりあえず、これでいいか」
千鶴がいつも使っているブランケットを棚から引っ張り出した。大きめなので、ついでにちづにもかけてやる。
「……み゛……」
「何だよ。お前がそこにいるから必然的にかかるんだよ」
黒猫が薄目を開けて低く唸る。
俺は千鶴とちづにブランケットをかけたのであって、黒猫にかけた覚えはない。真ん中に寝ているのが悪い。
とにかく、千鶴が起きる様子はない。夕食はしばらくおあずけだろう。
「邪魔するぞ」
ちづの横にごろりと転がる。
黒猫の方は何の反応も示さなかった。俺を呼んできた時点で、こうなることは予想していたのだろう。
ちづに至っては、二倍になった暖で気持ちよくなったのかさらに丸くなる。いたずらで頭を少しつついてみても起きやしない。
そうなると、ぴくりともせず静かな寝息をたて続ける千鶴はもっと鈍いということになるが、そういうところも可愛いと思えるあたり、完全に惚れた弱みだろう。
そんな訳で、千鶴とちづを起こす気なんて到底おこらなくて、空腹に気付かないふりをしながら瞼を閉じた。
としぞーと土方先生のある休日の出来事。
連載するかは決めていませんが、小ネタを使ってのんびりした短編を少しずつ書いていけたらと思っています。
~日常の1コマ~
としぞーと歳三の休日
週末、病院から持ち帰ってきた仕事をようやく片付る。長時間パソコンと書類に向かい続けて凝り固まった肩がだるい。
キッチンで夕食を作っているだろう千鶴のところに向かおうと書斎から出てみれば、待ち構えていたかのような黒猫につかまった。
「……なんだ」
「……にゃ」
相変わらずの無愛想な顔と機嫌の悪そうな声である。
いつもと違うところと言えば、俺のジーンズの裾をくわえて引っ張ってくることだろうか。
千鶴に拾われて来た頃に比べるとだいぶ大きくなったが、完全に大人という月齢ではない。小さい口で固いデニム生地をくわえるのは少し苦しそうだ。
「お前、何やってんだ?」
「………」
何か訴えるような目をしていたから聞いてやったのに、さっさと離れて無言でリビングに向かいはじめる。ついて来いという事か。
こいつはちづと違って悪戯をする方ではない。むしろ、千鶴絡みで俺に飛び掛かること以外、困らせるようなことをしているのは見たことがない。普段は俺にできるだけ近寄ってこないのに、何が目的なのだろうか。
黒猫が通ったあとの薄く開いたドアを開けると、目に入ったのは、リビングのカーペットで眠る千鶴とちづだった。
人の体温が暖かいのか、ちづが千鶴の胸にぴったりと寄り添っている。そこに黒猫が駆け寄って、多少強引に間に割り込んだ。
「……みっ」
おそらく、見せ付けることが目的ではないだろう。こいつの性格を考えると、わざわざ俺に知らせて邪魔させるようなことはしない。しかも、何かを訴えるようにじっとこちらに視線を送り続けている。
「……分かった」
「にゃっ」
これは、千鶴に何かかけてやれと言っているのだろうか。適当に返事をしてみれば、満足そうに鳴き、しっぽを一度ぱたりと跳ねさせた。
目的を果たしたのか、ようやく丸くなって一緒に眠り始める。千鶴とちづに挟まれて、とても気持ち良さそうな表情だ。
「やっぱ気に入らねえ」
珍しく土方に近づいてきたかと思えばこれだ。千鶴と一緒に同居を始めた今でも、土方への無愛想さは相変わらずである。
「とりあえず、これでいいか」
千鶴がいつも使っているブランケットを棚から引っ張り出した。大きめなので、ついでにちづにもかけてやる。
「……み゛……」
「何だよ。お前がそこにいるから必然的にかかるんだよ」
黒猫が薄目を開けて低く唸る。
俺は千鶴とちづにブランケットをかけたのであって、黒猫にかけた覚えはない。真ん中に寝ているのが悪い。
とにかく、千鶴が起きる様子はない。夕食はしばらくおあずけだろう。
「邪魔するぞ」
ちづの横にごろりと転がる。
黒猫の方は何の反応も示さなかった。俺を呼んできた時点で、こうなることは予想していたのだろう。
ちづに至っては、二倍になった暖で気持ちよくなったのかさらに丸くなる。いたずらで頭を少しつついてみても起きやしない。
そうなると、ぴくりともせず静かな寝息をたて続ける千鶴はもっと鈍いということになるが、そういうところも可愛いと思えるあたり、完全に惚れた弱みだろう。
そんな訳で、千鶴とちづを起こす気なんて到底おこらなくて、空腹に気付かないふりをしながら瞼を閉じた。
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