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ツイッターで過ぎた悪ノリをした結果、まさかの完成を遂げました。
ネタはフォロワーさんにもらいました。ありがとうございます(´ω`)


SSL 土千
とても甘いので注意。

作品は以下からどうぞ♪

拍手[19回]













Fascinated Lip




「…そんな緊張すんな。」
「は、はい…」

土方の隣に腰かけた千鶴は、マグカップからカフェオレを飲もうとするも、緊張で手が微かに震えてしまっている。
本当なら当たり前のソファのふわふわが、今ばかりは落ち着かない。
こんな時に限って話題も見つからず、千鶴は始めて足を踏み入れた空間に視線を泳がせていた。

―――部屋中に先生の匂いがする…

付き合って2カ月。
今までは会えるのが学校だけだった千鶴にとって、土方の私服を見るだけで心臓がうるさくなるのに、家に上がるなど予想の範疇を超えていた。
甘いはずのカフェオレも、全然味が分からない。

「…おい。」
「は、はいっ…!きゃっ!?」

引き寄せてくる腕に驚いてる間もなく、千鶴の体は土方の両脚の間に収まっていた。
持っていた筈のマグカップも、いつの間にかローテーブルの上にある。

「せ、せんせい…?」
「何だ。」
「はは恥ずかしいですっ!」

土方の腕は千鶴の腰をしっかりと抱きしめていて、背中から彼の体温が伝わってくる。
初めての体勢と状況に、千鶴は今にも泣き出しそうだ。
そんな心境を知ってか知らずか、土方は左腕で千鶴の体を捕まえながら、空いた手で彼女の髪を触って遊んでいる。

ついに千鶴が耐えられなくなり、真っ赤になってふりゃりと泣きそうになった。

「せ、せんせ、もう…」
「何だ、もう触らせてくれねえのか?」

土方が意地悪そうに笑う。
子供扱いされている様で、千鶴は心外とばかりにむっとした。

「…からかわないで下さい。」
「からかってねえよ。今までの分、もらってるだけだろ。」
「…へ?」
「離して欲しかったらお前からキスしてくれよ。」

今までの分って何のことですか?
そんな質問はすぐに千鶴の頭から飛んでいった。

「で、ですから…からかわないで下さいと…、」
「だから違えよ。2カ月間、学校で会うだけで我慢してた見返り位もらったって良いだろうが。」
「どういう理屈ですか…?」
「で、千鶴からしてくれんのか、してくれねえのか?」

頭がパニックでついて行けないけれど、キスしないとこの場は回避できないことだけ理解できた。

「~っ、目つぶってて下さいね!」
「ああ。」

土方の腕を解いて、よろよろと立ち上がり土方の前にかがむ。
千鶴は意を決して、土方の唇と自分の唇をそっと合わせた。

「――!んっ…!」

その瞬間、千鶴の腰と頭の後ろに土方の腕が回ったと思ったらすぐに引き寄せられ、口付けを深くされてしまった。
角度を変えて何度も貪られながら、土方の腕は一向に緩まない。
舌で歯を舐められ口を開ける様に催促されれば、鈍った思考が舌の侵入を許してしまう。
しばらくして千鶴の息が苦しくなってきた頃、ようやく唇が離され、2人の間に伝った糸を土方が再び軽く口付けて切った。

「はぁっ、…ぅ…」

気が抜けてしまった千鶴を、土方がしっかりと抱きしめる。
千鶴の息が整うのを確認すると、今度は唇を軽く何度も啄み始めた。

「ふぁ…もうだめ、ですっ…」
「…確かに、俺も止められなくなりそうだな。」
「?」
「まだ分かんなくていい。」

土方に頭をぽんぽんとされ安心した千鶴は、体の力を抜き、彼の腕の中に大人しく収まった。
ようやく思考が落ち着いてきて、土方の温かい体温と少し強めに回された腕が心地良く感じる。

――ああ、帰りたくないな…
いま自分が先生の家に居て、抱きしめられているなんて嘘みたい。

「…おい、口に出てるぞ。」
「…え?」

「人が折角我慢してやったのに。」
「う、うそっ…!」
「もう今夜は泊ってくよな?」
「えぇっ!」

土方の提案に恥ずかしさでいっぱいになるが、千鶴も長く一緒にいたい気持ちは同じで。
熱い眼で見つめてくる土方を、真っ直ぐ見つめ返した。

「千鶴。」
「ー…はい…」

真っ赤な顔で頷くと、土方は満足気に笑い、千鶴の耳元で覚悟しとけよと小さな声で囁いた。
近づいてくる土方の顔に、千鶴はそっと目を閉じた。




◇◇◇



「あ、あの、歯磨きくらい自分でできます…」
「ん?俺がやってやりたいだけだから大人しくしとけ。」
「うー…」

先生に抵抗しても無駄だという事を、ついさっき身を以て学習した。
ここは大人しくしていよう。
でも、やっぱり子供扱いされている様で納得いかない。

「じゃあ先生のは私がやります!」
「…良いのか?」
「!」

てっきり嫌がるかと思ったのに…!
私の予想を裏切り、先生は私の歯を磨きながら嬉しそうな笑みを作っている。

「ほら、終わったぞ。口ゆすげ。」
「あ、ありがとうございます…?」
「次は千鶴が磨く番な。」
「…はい。」
「やっぱお前用の歯ブラシ買っといて正解だったな。良い事あった。」
「!」

そういえば、先生は新品でしかもピンク色の歯ブラシを握っている。

「さ、最初から泊まらせる気でしたか…?」
「さあな。ほら、早くしてくれよ。」

有無を言わさずに、青い歯ブラシを握らされた。
また上手く誤魔化されてしまったけれど、自分から言った手前、恥ずかしいけどやるしかない。

「く、口開けてください…」
「おう。」



ぎこちない歯磨きを終わらせて、歯ブラシを2本並べてグラスに立てた。





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